バイノーラル録音システムを自作する Part1:概要
バイノーラル録音したい。音フェチやりたい。でも金が無い*1。
というわけで廉価かつ高音質な録音環境を自作した。なんやかんや大規模になってしまったので数パートに分割して書く。
本記事は全体像の紹介だ。
説明!!
制作の目的を以下に挙げる。
- バイノーラル録音に耐える音質である
- 歪率が許容できる範囲内である
- S/N比がマイクカプセル本来の性能にできるだけ近い
- 最終的な材料費を3000円程度とする
- 手元にあるオーディオインターフェースがXLR入力×2を持ってるので、出力はこれにつなぐ
なお、昔イヤホン型の小型バイノーラルマイクを作ったが、今回はECMソースフォロワ改造+外部電源方式+オペアンプ使用のリッチな方式だ。
机の上でパソコンに繋いで録音するならこちらの方が遥かにいい音が録れる。当時自分が未熟だったのもあり、今だとこっちがよっぽどお勧めだ。
設計
まず最初に最終型がどうなったかを書く。
マイクアンプは「3線式ECMだけを対象にする」と決め打ってしまい、マイクの交換がしやすいようステレオミニプラグで接続する。
ここはマイクとアンプを3本の線で繋げられれば何でもいいのだが、ステレオミニプラグは100均で買ったイヤホンを捌けば手に入るのがポイント。
アンプ本体は当初A/Iからのファンタム駆動を考えていたが上手くできなかったので、秋月9Vアダプタ+TPS7A4700というDC-DCコンバータを採用した。
TPS7Aというのは本システム最高のお値段がする財力の暴力で、こいつだけで1100円する。後述するがこれを9V電池に置き換えると10回交換するまでは安く済む。
スイッチングアダプタは秋月で買った9Vのものを使ったが、レギュレータで電圧を落とす都合上9~12Vの製品であれば適当なものを流用してもいい。
あとはマイクから3線を引き出してステレオプラグを生やし、アンプ→A/Iと繋げば音が取り込めるわけだ。
秋月ECMはもちろんの事、既成品の安物マイクもECMが使われてさえいればちょっとした改造でそれなりの音質に化ける。
例えばこれ。→iBUFFALO マイクロフォン ミニクリップ ブラック BSHSM03BK バッファロー
1レッドブル強で買えてしまうが、バラして3線改造→自作アンプに接続とする事でそれなりの音質が叩き出せてしまう。
つまりこのアンプは「ECM専用マイクプリ」と言える。