落胆がらくた街

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バイノーラルマイクと簡易アンプ作ったりした

これでキモオタ童貞おじさんの僕とデート気分を楽しめる音声作品が作れるぞ。テロ認定されそう。

まえおき

別に自分のようなおっさんとデートできる拷問音声を作る気はさらさらないが、純粋に音フェチ的な要素を楽しむ目的でバイノーラルマイクを作ってみようと思った。 バイノーラルマイク自作について調べると、やはりというか秋月ECMを使った自作記事が幾つか出てきたので、それに便乗する形だ。 しかもたまたまドフでZOOMのH4(10年位前のハンディレコーダーのフラグシップモデルらしい)が2000円で入手できてしまったので、これはもうやるしかないぞ。

今回の方針はこうだ。

  • なるべく安く、余り物で
  • H4がもうデカいので部品点数は少なく
  • 音質はできれば欲しいが平衡には拘らない。不平衡でOK

ということで、「三線式改造」は無しのステレオマイク作戦でいく。三線式改造については

もうちょっと真面目にパナ改を作った - 落胆がらくた街

を参照だ。

きほん

時折「とりあえず作ってみたは良いけどノイズだらけで全然駄目です!」みたいな記事をネットで見かけるが、恐らくプラグインパワーを知らずに接続してしまっているのだと思う。ここで改めて纏めると、「コンデンサマイクは電圧をかけないと使えない」「録音用の端子には電圧をかけてくれるやつとかけてくれないやつがいる」という点がポイントだ。マイク入力端子は一般に電圧をかけてくれるので直挿しで録音できるが、ギターなんかを挿して使うような一般的なフォーン端子はいくら増幅率を上げた所で電圧はかけてくれないので録音できない。そしてH4はファンタムこそ吐けるがマイク向けのプラグインパワーは吐けんのだ。

よって今回はマイクに電圧をかけて信号を得る為の簡易アンプも作る。もっともECMの回路図(↓参照)にあるような電圧かける回路を組むだけなので、最早アンプと呼んでもいいのかどうかって感じだが。

エレクトレットコンデンサーマイクロホン(ECM) WM−61A相当品: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

というわけで回路図。めんどいので手書きだが以下のようになる。

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ぶっちゃけ回路という程のものではなくて、どちらかというと入れ物にちゃんと入れて使いやすい形にしようねという話だけど…。

さぎょう1 バイノーラルマイクつくる

友人から物故割れたイヤホホホホホの残骸を貰ったのでそいつを生贄に作業開始だ。ちなみにオーテクのCKL220という機種で、マイクをいい具合に設置出来る溝があり素晴らしい。なお、生贄は100均のカナル型イヤホンで十分だが、背面にマイクを付けられるかよく見てから買わないと100円とはいえ何にもならないぞ!(一敗)

f:id:suzumodoki:20180326132146j:plain バラして穴開けて線通して…

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結び目作ってマイクはんだ付けして…

f:id:suzumodoki:20180326132520j:plain 100均の瞬間接着剤で仕上げ。3線式改造が無いとほんっっっとに楽だなぁ…

さぎょう2 簡易アンプつくる

マイクのLとRに抵抗を介して電圧を供給、更にそれを直流だけカットして横流しする回路を組む。この時持ち運びがしやすいようにセリアの「単3電池2本でUSB充電を出せるマシン」のガワを導入。秋月で電池ボックス買うより安上がりだぜ!余談だがセリアは電子部品系が妙に潤っており、同じ品揃えをダイソーに期待するとかなり大きめの店舗じゃないと駄目だったりする。一方でダイソーは工具類をそれなりに置いており、ヤスリのような簡単なものなら中々使えるのでお勧めだ。

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コンデンサは手元にあったフィルムコンデンサを使用。微妙にでかくて辛い。しかし、2.2kの抵抗と直列に挿入されるコンデンサは音質の要なので流石に妥協は出来ない。抵抗も誤差1%のちと良い奴だ。いいヤツと言っても100円あれば全部揃うんだが。

コンデンサの容量は0.22u~1u程度をお好みでいいと思う。もしかしたらもっと小さくても良かったかもしれない。一方で抵抗は選択の余地がほぼ無く、2kちょっとの抵抗を2本ともなるべく同じになるよう使用しなければならない。また電源電圧は1.5~10Vであれば良いとの事なので、ガワさえよければボタン電池でも構わない。手元にある余り物の部品や近くの百均の品揃えと相談してもいいし、別に持ち運ぶ予定がないなら基盤に直付けでも良いだろう。この手の工作で何だかんだ一番悩むのはパッケージングだ。用途に合わせて上手くガワを選ばないと、例えば指が回路に触れた時ノイズが録音されてしまったりする。

さぎょう3 ためす

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ステレオ3.5→モノフォーン*2への変換もやっぱり余り物で自作だ。絶対に金をかけたくないでござる!そして全体像は以下の通り。こうしてみると意外とでかくてゴツい。次回の課題である。

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H4の入力設定はGAINをL,M,HのうちMにするとちょうどよかった。ここで上手く録音出来ていることが分かれば、早速近所を散歩だ。

結果

音質は上々、しかし自分の声がキモすぎてカットしまくった結果何一つ面白みの無いテスト音源に…き、聞き所は30秒あたりのドアの音です…

所感。

  • 3線式改造しなくても音質は上々。寧ろ失敗する要素が減るので下手な3線式より遥かに良い(腕前と相談)。
  • ハンダゴテ、ペンチ、ピンセットの三種の神器とレコーダーに目を瞑れば、かかったコストは500~600円程度。マジで安いぞ。
  • 改造に必要なテクニックはほぼ皆無。そもそも材料費が安いので失敗を恐れる必要もない。
  • 風の音をかなり拾うので、外で使うなら風防を考えなきゃ駄目っぽい。
  • ケーブルの擦れる音は意外と拾わない。有能。
  • 録音機材が良くても素材(自分)が駄目なら出来上がるのはゴミ。

というわけで、自分のようなキモオタねっとりボイスでは環境音を楽しむくらいしか出来ないが、昨今流行りのVtuberさんなんかには是非ご一考願いたい。一つでもそのような試みをしてくださる作品が増えれば音フェチとして幸い。もし本当に試された方がいらっしゃったら聴きに行くのでご一報下さいね!