落胆がらくた街

多分三日坊主で終わると思うんですけど

もうちょっと真面目にパナ改を作った

まえがき

suzublog.hatenablog.com
↑およそ一年前に作ったやつ
こいつは回路の実験という側面が強かったし、単純に出来がよろしくなかったので、「余り物で安く作る」というコンセプトはそのままにもうちょいマトモな代物を組み上げた。
ろくに回路を知らなかった去年よりもう少し知恵も付けたので、多少はマシになった筈だ。採用した回路はいつもの通り
1713 :ファンタム式パナ改マイクの単純化 省電流バージョン|ShinさんのPA工作室
からパクらせていただく。ただし、マジで金が無くて秋月で買い物する送料すら捻出できない貧乏ぶりなので、「コンデンサは容赦なく積層セラミックを使う」という致命的な欠点が。

でざいん

本体及びハウジングだが、これも余り物の流用で、まずXLRはサウンドハウスで一番安かったこれ。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) >CXL2B | サウンドハウス

マイク本体を収めるのは、ぶち折れたオシロスコープのプローブを流用。
オシロスコープ・プローブ(60MHz): 測定器・計測器関連 秋月電子通商 電子部品 ネット通販
これをバラすとどうなるかはこちらの記事が参考になる…というかまんまだ。
オシロスコープのプローブの修理 ( 修理とリフォーム ) - 金田式アンプ・ファンのささやき - Yahoo!ブログ

さらにそれらを収めるハウジング的な何かとして、余ってたモノプラグのガワを流用。なんでも良いんだけど、これが一番サイズがぴったりだった。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/25715/

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右から、「BNCコネクタをバラバラにしたもの」「プローブの持ち手のゴム?の部分」「モノプラグのガワ」「ガワだけ使われていらない子になったモノプラグの本体」。

電子的な部分について。
マイク石はお決まりのこれ↓。拘る人はオリジナルのWM-61Aに拘るらしいが、とりあえず安くて手に入りやすいのでこっちに飛びつく。
エレクトレットコンデンサーマイクロホン(ECM) WM−61A相当品: パーツ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販

また基盤は、元ネタの「コネクタの中に回路を全て入れる」というアイデアを拝借。必然的に小さい部品が有利なので、J-fetはこれ↓を使う。2つのJ-fetが1チップに収められており、しかもソース同士が内部でくっついている(元の回路図と同じ状態になっている)ので大変好都合だ。
Nch J−FET 2SK2145−BL (2個入): 半導体 秋月電子通商 電子部品 ネット通販

そして基盤は面実装モノをうまい具合に乗せられるこれ↓を採用。こいつは穴がちっこすぎて面実装以外の部品がマトモに乗らないのだが、
64ホールユニバーサル基板(1.16mm): パーツ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販

こいつの端子部分を引っこ抜くとうまい具合に変換ピンとして流用出来る。↓
シングルピンソケット (低メス) 1×20 (20P): パーツ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販
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ケーブルを受ける側の基盤は同じサイズでDIPピッチの物があるのでこれと繋げばOKだ。
16ホールユニバーサル基板(2.54mm): パーツ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販


抵抗はebayで中国人が何故か送料無料で送ってくれた大量の面実装抵抗を使う。精度?知らんな!w

かいろ

「超簡略版」との事だが、ファンタム電源を使う以上はいくら簡略化されていても構わない。どうせゲインはオーディオインターフェースでどうとでも出来るからだ。
抵抗4つ、コンデンサ2つ、面実装のJ-fet実質1つを基板上にせっせこ組み上げるだけで出来上がる。今回はあれこれ余り物を使った以上ちょっとヘンな部分があるので回路は本家様にまかせてここではさらっと各部品について触れる。

まず、各J-fetのゲートからGNDに落としている1MΩの抵抗。こいつは十分大きければ何でも良い。今回は在庫事情から750kΩを採用したが、そんなに精度もいらんだろう。
次に、マイクのマイナス、即ちマイク内蔵FETのソースからGNDに落ちている2.2kΩ。こいつはマイク石のデータシートに指定されている数値なので、余り弄るべきじゃないだろう。精度がいるかは謎だが。
で、J-fetのソースからGNDに落としている1.5kΩ、これもなるべくこの通りにした方がいい。まぁ今回は1kΩにしちゃったんだけど。元の回路は2sk-2880というJ-fetを使ってるんだが、今回使ったJ-fetはもうちょっとソース電流がデカいので、それに合わせて少し下げてみた。ここの抵抗がどんな影響を及ぼすかは検証の余地あり。

2つの0.22uFコンデンサ。これは耐圧50V以上が必須で、かつなるべくオーディオ向きのフィルムコンなんかを使うべきだ。在庫無いから安物の積セラ挿したけど(号泣)
ただ、0.22uFという数字は検証の余地があると思う。こいつを絞ると低域がカットされる筈だが、完成品を使ってみた所どうも低域がちと強すぎる感じがあった。好みで上下させていいと思う。

かこう

兎にも角にも苦労するのは加工作業だ。もしこれから初めてこのECM改造をやるのであれば、安いものなので多めに買って練習すると良いと思う。
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画像左が無加工の状態。青字で注釈を入れたが、ようはこの黒い点がスルーホールで、内部のマイクの端子にくっついているわけだ。初期状態ではマイクのガワ(GND)とくっついているのが困るので、うまい具合に切り離さなきゃならない。まず予め乗っているハンダが邪魔なので吸い取る。次にスルーホールを潰さないよう気をつけながら、基盤の金属部分、赤点線の所をカッターでせっせこ切って電気的に切断する。マイクのガワはまずハンダが乗らないので、基盤部分をマイク-とGNDに分けなければならないわけだ。マイクは熱に強い部品ではないので、コテを押し当てる時間は長くても3秒程度、それを超えたら一旦冷やす…という感じでやると失敗しにくいと思う。

出来上がったマイクの各端子に配線するのも一苦労だろうが、これはなるべく細い線を使えば(そしてコツさえ掴めば)難しくない。お勧めは物故割れたイヤホンの線だ。こいつは極めて細い上に秋葉原まで出なくても安く簡単に入手出来るというメリットがある。金の話しかしてねぇな…?
メッキ皮膜がなされているので普通に剥がそうとすると大変だが、「ハンダゴテの熱でメッキを溶かして剥がす」というテク(?)を身につければ楽勝だ。まず乗らない事を承知の上ではんだを線材のさきっぽに当ててコテで溶かす。そのまま線材にコテを当て続けると、はんだを通じて熱が伝わり、メッキが黒く焦げて焼け落ちる。黒くなった部分をコテ先で擦るとうまい具合にメッキが剥がれてハンダが乗ってくれるというわけだ。
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画像は作業途中の2線繋いだ所。

なお、この配線作業も慣れない内は失敗がつきものだと思う。そんなこと無い?自分だけ?
そんな時、「とりあえずマイクが生きてるかどうか確かめる回路」をブレッドボードかなんかに作ってテストすると便利だ。
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ようは本家本元、3線加工する前の回路でマイクテストして、ちゃんと音声が取れればとりあえず配線は成功、という事で。当たり前だけどこの回路はファンタムじゃないので注意。単三電池一個あればテストできるので便利。

くみたて

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コンデンサに小さい積セラを使っていることを除いても、面実装部品を遠慮なく使えば余裕を持ってコネクタに収まる事がわかる。
ちなみに手前のケーブル及びコンデンサ部分の基盤と、XLRピンに繋いだ面実装基盤部分は分離できるように作ったので、もし色気づいてお高いコンデンサを買い足しても簡単に改造出来る仕組みだ。今度部品を買いに行く機会があったらやってみよう。

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出来上がり。大分端折ったが、どんな部品が手元にあるかで作り方は千差万別だと思う。兎にも角にも、「6ミリ径のマイクがきれいに収まってケーブルを通せる部品」があればなんだって良いのだ。それこそ100均で売ってるチャッカマンの先端の筒部分だって良い。回路部分に関しては、本家のJ-fetや高精度抵抗への拘りも理解できるものの、コストに釣り合わないとか、そもそもS/N比が良ければあとは加工次第でどうにでもなるとか、アマチュアにはアマチュアの事情があるので、個人個人で部品を選べばいいと思う。自分は面実装を容赦なく使用し、確実にコネクタに入れられる方針を採用した(でもコンデンサは自分でも酷いと思う)。もっと一般的な事を言うなら、
・J-fetはNchのものであれば何でも良い。音は好みによる所が大きいので、出してみないとわからない。
・抵抗は高精度であることが売りになる部分(1.5kと2.2k)とそうでもない部分(1MΩ)がある。前者は拘る価値があるかもしれないが、音質にどこまで影響するかは謎。精度より温度特性を意識したほうが良いかも?
コンデンサは拘る価値が大いにある。ただし、容量に関しては検討の余地がある。0.047uF~1uFあたりを色々試してみたい所存。ただし2つのコンデンサが同容量なのは絶対。

おためし

といったところ。肝心の録音に関しては、「A/Iのゲインが最低でも十分過ぎるくらいの音量でびっくり」という結果に。これはこれで不便かもしれないので要検証。
Twitterには録音した音源を挙げたのだが、ネタに走ってクッソ汚い六尺コピペ朗読音声しか挙げなかったので、こっちに挙げるのは後日マトモな奴を正式に録るということで…

一月以上経った今、ふと思い出してようやく録音のテスト音声を上げる事にした。
録音はsteinberg CL-1。廉価なA/Iなので、ここが音質に影響を与えてる説はあるかもしれない…。

とりあえずテキトーにエレキギターを弾いてみた。ソフト的な処理はゲインだけで、ノイズキャンセルの類は皆無。
個人的には十分な音質だと思うんだが、どうもマイクと距離や角度があると急激に音が取れなくなるらしく、例えばウェブカメラのマイクのような部屋全体を録るには向いてない。
楽器や声を録るには良いだろう。

全くのおまけとして、同じギターを同じA/Iにライン録音で録ってみた。

…こ、こいつぁひでぇや!
A/Iがダメなのか、ギター(バッカステレキャス 元値15k ほぼタダで貰った)がダメなのか、いや両方か。
しかし一番ヒドいのは自分のギターの腕前そのものだった。先輩こいつ1年以上やってて未だにF弾けないらしいっすよ?