低価格高音質なバイノーラルマイクを自作した(完成版)
自作マイク関連の記事は過去何度か書いてきたが、現時点ではこの記事の内容が決定版なので他のは見なくていい。
概要
最近なんやかんや流行りになりつつあるダミヘで音フェチ録るやつだ。
マイクアンプ(XLRコネクタ、ファンタム不要)を既に持っている事が前提だが、それさえあればいい音が録れる。
ちなみにマイクアンプといってもオーディオインターフェースにはたいてい標準で付いており、例えばZOOM H4なんかでもXLR入力が2個付いてるので問題なく使えるぞ。
電気回路
マイクはC9767の3線式改造で高音質を実現。9V電池をマイクとオペアンプに与え、4.7倍の増幅をかけてXLRのHOT/COLDに与えるシンプルな構成だ。
回路図は電子工作に明るくない人がなるべく簡単にはんだ付けできるよう、秋月のブレッドボード型基板を採用した。
文字あり配線図↓
文字なし配線図↓
回路図↓
電源に挿れてる470u書き忘れた
回路図では1ch分しか書いてないが、赤枠の電源部分以外を2つ分実装してLR2ch分にしている。
3線マイク改造やオペアンプ回路の理論的な部分は他のサイト様で既出だが、ファンタム電源を使わずバッテリー駆動に割り切ることで音フェチを楽しむに耐えうるS/N比を出せた。
オペアンプを使ってバランス出力を作ることで、A/Iなりマイクアンプなりの性能を素直に活かす構成だ。結局余計な味付けをせずあるものを最大限活用する方が美味い。
配線図の見方だが、赤色は上を配線、青色は下側を配線、真ん中の2つのソケットはオペアンプを挿す8ピンだが、オペアンプ直挿しでも良い。
コンデンサは全て無極性のMUSE電解コンデンサを採用。理由は何か光ってて見た目がカッコいいからだ。音質とかは一切知らん(積層セラミック以外どれも違いがわからん)。
抵抗は余ってた在庫を採用、オペアンプはNJM4580DDで全て揃えても数百円(秋月電子)。
ブレボ基板は英字と数字が書いてあるので、それを参考にパーツを挿していけば簡単にコピーが作れると思う。
出力のXLRコネクタは2パターンの取り付け方がある。
マイクケーブルも作ってしまう方法と、マイクケーブルは別途用意することにして、筐体にはXLRのコネクタをとりつける方式だ。
自分が作ったのはケーブルを直接生やす方式だが、利便性を考えるとコネクタを取り付けたほうが良い。
3線式改造については過去の記事を参照。
もっと真面目にパナ改を作った - 落胆がらくた街
筐体設計
電気回路が出来たら次はマイクの取り付けをする。ダミーヘッド的な構造を作成する必要があるので、10cm立方体のアクリルボックスと鍼灸練習用の耳型を購入。各1000円也。
はこ
みみ
今回はMDF材で耳型を補強するように固定したが、アクリルボックスに接着剤で直付けすればよかったと思った。
耳型は予めマイクを通す穴を開ける必要があるが、RCAジャックの内径がちょうど10ミリなのでこれでくり抜くとやりやすい。
アクリルボックスの裏側には、XLRコネクタとスイッチを取り付ける。
つかいかた
余ったMDF材耳に突っ込んでこすったりするとこういう音が録れる。
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メイキング
動画近日あげます
パーツリスト(新規で買い揃える場合)
秋月電子。送料全国どこでも500円。
・コンデンサ…1uF(3つ)、4.7uF(6つ)、470uF(1つ)
・ブレボ基板
・8ピンソケット
・NJM4580DD(2つ)
・トグルスイッチ
・9V電池ソケット
・LED
・配線用ケーブル
アマゾン。送料無料~100円くらい。買ってから着くまで二週間とかする。
・はこ
・みみ
・抵抗20本30種セット
サウンドハウス。1000円以上で送料無料なのでなんとかしよう。
・コネクタ(2つ)
・↑の奴専用ねじ(4つ)
・マイクケーブル(2本)
直挿しでやる場合代わりにコネクタとマイクケーブル単体をサウンドハウスで買えばいいと思う。
あとA/I持ってねぇやつはベリンガー様に貢いどけ