バイノーラル録音システムを自作する Part2:ECMアンプ回路
2019 8 21 追記
エレクトレットコンデンサマイク改造についてのまとめ | 落胆がらくた工務店
更に改善した。コッチヲ見ロォ!
ECMアンプについて
目的:3線改造したECMを入力に受け、オーディオインターフェースのXLRに出力できるアンプを作る
ECMの3線改造については後述
何が便利なのか:秋月とかで売ってるECMを高音質でPCに取り込める
完成像
アルミケースは偶々もらったものを使ったが、買うと1000円前後するので、既成品から剥ぐなり100均で似たようなもの探すなりしてもいい。
金属製でないと電磁波ノイズ直撃で最悪の場合AMラジオ拾ったりするので、どんな安物でもいいから金属ケースで覆う事を推奨。
コネクタやスイッチ類は手元にあったものを流用したが、これもジャンクから引っ剥がしたりしたモノで大抵事足りる。
XLRコネクタだけはケーブル共々サウンドハウスが安く売ってくれるが、別に直接基盤からケーブルを生やしても問題無い。
機能ブロック図
発想は至ってシンプルで、TPS7Aで作った綺麗な8Vをマイクとオペアンプに供給し信号を増幅するだけ。
回路図
オペアンプ回路を知っている人であれば教科書的な回路に見えると思う(というか自分がその程度の回路しかつくれない)。
ECMソースフォロワ→非反転増幅しつつコールド出力→反転増幅1倍でホット出力のバランス構成。
以下、各素子の詳細と定数の理由。
R1…マイク内蔵のFETと共にソースフォロワを形成する。内蔵FETの詳細はデータがないので470~10kくらいでいい感じに音が取れる数値を総当たりする。
わんぽいんと:ここをボリュームにして、繋ぐマイクに合わせて手動でソース抵抗を変えられるようにするのもアリかも?
C1…カップリングコンデンサ。R10と合わせてHPFを形成する。0.22u~10u程度を推奨。あまりデカいと放電モード時R1で引き抜けなくなる。
R2…VR1と合わせて、オペアンプの帰還抵抗を形成する。VR1が0の時帰還抵抗が0になるのを防ぐため挿入。
R3…オペアンプの帰還抵抗の一部。非反転増幅回路なので、全体ゲインは(R1+VR1)/R2。
C2…オペアンプの直流に対する利得を1倍にする為挿入。そこそこ大きくないと低域が落ちる。4.7u~推奨。
C3…カップリングコンデンサ。C1以上なら音質に影響ないはず。R4とHPFを形成するので、本当はC1=C3、R4=R10が望ましいが誤差。
C4…うっかりファンタム電源をONにしちゃった時の保護用コンデンサ。耐圧50V以上、両極性。一応信号をカップリングするのでC3の3倍程度取る。
R4…C3、C4放電用兼HPF形成。
R5…反転増幅回路の入力抵抗。ざっくり計算だが10kより少ないと周波数特性が落ちこれより大きいとノイズに弱くなる。
R6…反転増幅回路の帰還抵抗。R5とR6は高精度の抵抗を用いぴったり1倍に近づける事を推奨。
C5…カップリングコンデンサ。両極性、耐圧50V以上。容量はそこそこ大きけりゃあとは適当。今回はC4と同じに。
R7…C5放電用兼HPF。
R8…バイアス電圧生成用。大きいと高インピーダンスの影響で、小さいと熱雑音の影響で音質に影響する。1k~10kが妥当?
R9…同上。
C6…バイアス電圧の直流安定を得るため挿入。10uはでかすぎる気がするけどまあいいか!最悪無くても良い。
R10…バイアス電圧を信号に乗せるための抵抗。交流的には接地されている為C1とHPFを形成する。
R11…同上。ちなみにR4、R7、R10、R11は同じ値が望ましい。
ちなみにオペアンプはNJM4580DDを採用。だって安いんだもん。
あとはユニバーサル基板にざっくりはんだ付けして完成。一点アース?知らんな!w